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生地加工の基本:あなたに合った加工を見つけよう【加工紹介コラム:連載第1回目】

お知らせ2024年9月24日

生地は、加工によってその特性を大きく変化させることができます。たとえば、「生地の薄さを保ちながら、より固く・ハリを持たせたい」や「生地の風合いを活かしつつ、ヴィンテージ感を加えたい」といったご要望をよく伺います。このようなニーズも生地加工を施すことで解決することが可能です。生地加工は、生地が持つ本来の魅力を最大限に引き出し、その用途を広げるとともに、製品としての仕上がりや価値を一層高めることが期待できます。今回は、代表的な生地加工の方法についてご紹介します。また、ここでご紹介する生地加工をまとめた「加工見本帳」と「アルマダ加工見本」のサンプル帳をご用意しております。ご興味がある方はぜひサンプル請求フォームよりお問い合わせください。


目次

生地加工のご紹介
A  AC加工
B  風合い変化の加工
C  キルティング・パンチング・エンボス
D  ボンディング・ラミネート・PVC加工
生地加工方法の選び方
おわりに


生地加工のご紹介

A AC加工 ー生地をコーティングー

AC(アクリルコーティング)加工は生地の裏面にアクリル樹脂を塗布し皮膜を作ることで生地に固さやハリを与えます。ほつれ止めにもなるため生地裁断や縫製の作業性を高めることや、生地の縫い目が滑脱(力が掛かった際などに縫い目付近の糸がスリップして隙間が空いたり、縫い代が抜けたりする現象のこと)しにくくなる効果も期待できます。また、アクリルの含有量によって生地の仕上がりの固さを調整することが可能です。アクリルの含有量を増やし固くするハードAC加工や、反対に含有量を減らし柔らかく仕上げるソフトAC加工などがあります。

AC加工

B 風合い変化の加工 ー生地の風合いを変えるー

生地そのものの風合いを変化させる加工も多く存在します。生地に固さやハリを与えるにはAC加工が一般的ですが、逆に柔らかくするためにはウォッシュ加工が一般的です。ウォッシュ加工は生地に洗いをかけ、付着している糊を落とすことで生地に柔らかさを出します。糊の付いていない生地をさらに柔らかくするには酵素の力で生地を柔らかくするバイオウォッシュ加工がおすすめです。他にもヴィンテージ感を出したい場合には、パラフィン加工がおすすめです。パラフィンオイルをしみこませた生地は、白化やチョークマークの経年変化を楽しむことができます。メロウリンク加工は、生地にしっとりとした質感を与え、独特な風合いを引き出すことができます。

パラフィン加工

C キルティング・パンチング・エンボス加工 ー生地に立体感を出すー

生地を立体的にする代表的な加工には、キルティング、パンチング、エンボスなどがあります。キルティングは生地と生地の間に綿を挟み込み縫い合わせる加工で、生地に立体感を出します。綿量を調整することでボリューム感を調整することが可能です。パンチングは生地に穴を空け、柄を作る加工で、エンボスは生地に模様の入った金型を押し付けることで凹凸を出す加工です。キルティングとエンボスは既存の柄のほかオリジナル柄を作成することも可能です。

パンチング加工

D ボンディング・ラミネート・PVC加工 ー生地にボリュームを出すー

ボンディングは、2種類またはそれ以上の異なる素材を貼り合わせる加工のことです。この方法により、生地表面の見た目を変えることなく生地のボリュームや固さを調整できます。代表的な貼り合わせ素材には、シーチング、ウレタン、スポンジ、アルミなどがあります。
ラミネートは、基布に機能性のあるフィルムなどを張り合わせる加工です。透湿防水シートなどの機能素材を張り合わせることで防水性などの機能を追加することも可能です。
PVC(ポリ塩化ビニール)加工は、1~0.3mm程度のフィルム状のPVC樹脂を生地にラミネートすることで生地に厚みやコシを持たせることが可能です。また表面に加工することで防水効果も期待できます。
製品の仕上がりイメージに合わせて素材を選ぶことで、生地の縫い合わせとは異なる独特の風合いを実現することができます。

ボンディング加工ーわた貼り合わせ
PVC加工

生地加工方法の選び方

これまで代表的な生地加工についてご紹介してきましたが、製品イメージに対しどの生地加工を選ぶかは、判断に迷うことがあります。そこで、どういった時にどの生地加工を選べば良いかをフローチャート形式でまとめました。作りたい製品のイメージにあわせて進んでいくと、おすすめの加工方法にたどり着くことができます。ぜひ、現在製作中の製品に当てはめてみてください。

【診断結果】

 A   AC加工
 B   風合い変化の加工
 C   キルティング・パンチング・エンボス
 D   ボンディング・ラミネート・PVC加工


おわりに

仙田では、生地の販売だけでなく、お客様のご要望に応じた加工のご提案も行っております。普段使用している生地を加工でアレンジしたい、素材感は気に入っているが厚みが足りないなどのアイディアやお悩みに対してサポートを提供しています。また、生地加工を2回、3回と重ねることで、全く新しい素材を生み出す二次加工も承っております。どんなご要望やご相談もお気軽にお問い合わせください。

 

 

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